list_magatama石川県の古墳時代の玉類

石川県では、弥生時代中期から拠点的な集落をはじめとして多くの集落で、碧玉管玉や翡翠勾玉が生産されました。弥生時代後期には、玉類製作に鉄器が導入され、軟質の緑色凝灰岩の玉が生産され始めたようです。古墳時代の玉類の生産は弥生時代後期の技術を継承し、加賀市の柴山潟周辺(加賀市片山津玉造遺跡)、小松市の梯川中流域(小松市漆町遺跡)や金沢市の臨海部(金沢市藤江B遺跡)および能登地方の広範囲にわたり緑色凝灰岩や碧玉の器物が生産され始めました。これらは前期古墳の副葬品に納められることが多く、ヤマト政権のかかわりが考えられています。
石川県の主な玉出土遺跡位置

塚崎遺跡

塚崎遺跡 出土品(石川県)
位置:石川県金沢市塚崎町
金沢市北郊に流れる森下川(もりもとがわ)中流域に面する丘陵上に位置する弥生時代終末期の集落遺跡です。碧玉や緑色凝灰岩の管玉製作を盛んに行っていました。石川県と富山県の県境にある医王山(いおうぜん)周辺で産する石材を使っており、古墳時代に多く使われる軟質の石材であることが特徴です。

徳丸ジョウジャダ遺跡

徳丸ジョウジャダ遺跡 出土品(石川県)
位置:石川県白山市徳丸町
手取川扇状地にある弥生時代後期の玉作りをおこなった集落です。竪穴建物から管玉の未成品や製作時の剥片とともに、台石などの工具も多数出土しました。碧玉と緑色凝灰岩とともに鉄石英も玉の材料として使われていました。

中島ヤマンタン25号墳

中島ヤマンタン25号墳 出土品(石川県)
位置:石川県七尾市中島町山岸
能登半島の七尾西湾に面する古墳時代後期に作られた古墳です。発掘調査の結果、横穴式石室から翡翠勾玉、瑪瑙勾玉やガラス玉などからなる首飾りが出土しました。この時期には北陸で玉生産をしていないので、出雲などで作られた玉が首飾りに使われています。近隣のヤマンタン1号墳からガラス勾玉が出土するなど、多様な玉類が出土しています。