「古墳時代の玉類」の研究

構成県

古墳時代には、多様な素材を用いて勾玉、管玉をはじめとした様々な玉類が作られ、使われてきました。その数は全国で数十万個の量にも及び、その膨大さから総括的な研究も難しい状況でした。

 そこで、古代歴史文化協議会に参加する14県は、まずそれぞれの県で一体どれぐらいの数の玉類が出土しているのか、データベースを作成することになりました。一点一点の資料を正確に把握する積み上げ作業こそ、基礎的な科学的データとして研究の裏付けとなるからです。

 玉類の集成方法は、発掘調査報告書や自治体史誌などを紐解いて悉皆的に調査するもので、「集落・古墳」などの玉類消費遺跡からの出土例と、玉作遺跡など「玉類生産」遺跡とに分けて集成作業を行っています。

 14県では、このデータベースをもとに、各県ごとに「古墳時代の玉類」を巡る特徴が現れることを重視し、研究のアプローチ方法を3つに分けて考え、3つの分科会を設置しました。すなわち、集落遺跡や古墳など玉類の消費された遺跡から研究を行う分科会「玉類消費遺跡の研究」と、玉類の生産遺跡が所在する遺跡から研究を行う分科会「玉類生産遺跡の研究」。そして、日本国内に留まらず、大陸や朝鮮半島から日本に持ち運ばれた玉、あるいは日本から朝鮮半島に渡った玉から、古墳時代の国際交流を考える分科会「東アジア世界における日本の玉類」です。

 このような研究過程を経て、「玉類」研究から新たな古墳時代像が浮かび上がろうとしています。ここでは、その研究成果の一端をご紹介します。

list_magatama玉出土遺跡データベース

研究集会

韓国現地調査