韓国玉類の現地調査
○調査の内容
日本の古墳時代に併行する朝鮮半島三国時代の玉類について調査をおこないます。なかでも、日本列島から輸入された可能性が指摘されている製品を対象に、玉の原産地を探ることを目的とします。分析の手法として、肉眼観察のほか、蛍光X線分析〔産地同定のため、非破壊で岩石の主成分を分析する手法〕、比重測定をおこないます。韓国における調査対象資料は、新羅古墳(平成27年度実施)、加耶古墳(平成28年度実施)、百済古墳および寺院(平成29年度実施予定)から出土した玉類であり、これまで韓国国内でも比較研究がおこなわれておらず、調査の意義は大きいといえます。
この調査成果をふまえて、日本の代表的な玉の原産地である山陰・北陸地方で出土している玉類の蛍光X線分析を進め、最終的には朝鮮半島の玉の産地同定をおこない、玉の生産と流通からみた日韓交流の様相について検討します。
あわせて、金属製およびガラス製の玉類も対象に含めて、各県が所蔵する資料と朝鮮半島三国時代の古墳資料との比較調査研究も進めていきます。
この調査成果をふまえて、日本の代表的な玉の原産地である山陰・北陸地方で出土している玉類の蛍光X線分析を進め、最終的には朝鮮半島の玉の産地同定をおこない、玉の生産と流通からみた日韓交流の様相について検討します。
あわせて、金属製およびガラス製の玉類も対象に含めて、各県が所蔵する資料と朝鮮半島三国時代の古墳資料との比較調査研究も進めていきます。
【平成27年度実施内容】
- 調査内容「三国時代新羅出土の玉類の調査」
- 慶州皇吾洞34号墳出土の翡翠製勾玉(3点)
- 慶州味雛王陵古墳群12地区出土の翡翠製勾玉(4点)・碧玉製勾玉(1点)
- 慶山林堂洞古墳群出土の翡翠製勾玉(17点)
- ・遺物の熟覧
- ・自然科学的分析(蛍光X線分析・比重計測)
- ・写真撮影および実測
- 参加者
平石充、岩橋孝典(島根県古代文化センター)
吉田東明(福岡県教育庁)、小嶋篤(九州国立博物館)
菅谷文則、鈴木裕明、井上主税、持田大輔、柳田明進(奈良県立橿原考古学研究所) - 行程
- 12月21日(月) 東義大学博物館視察
- 12月22日(火) 慶北大学校博物館所蔵の玉類調査
- ・慶州皇吾洞34号墳出土の翡翠製勾玉
- ・慶州味雛王陵古墳群12地区出土の翡翠製勾玉・碧玉製勾玉
- 12月23日(水) 嶺南大学校博物館所蔵の玉類調査
- ・共同調査・研究に関する調印式
- ・慶山林堂洞古墳群出土の翡翠製勾玉
- 12月24日(木) 国立大邱博物館視察
【平成28年度実施内容】
1.調査内容「三国時代加耶出土の玉類の調査」
陝川玉田古墳群出土のヒスイ製勾玉(計13点)・金製勾玉(計2点)
東莱福泉洞古墳群出土のヒスイ製勾玉(計17点)
・遺物の熟覧
・自然科学的分析(蛍光X線分析・比重計測)
・写真撮影および実測
2.参加者
伊藤雅文(石川県埋蔵文化財センター)
岩橋孝典、井谷朋子(島根県古代文化センター)
吉田東明(福岡県教育庁)、小嶋篤(九州国立博物館)
菅谷文則、鈴木裕明、奥山誠義、井上主税、持田大輔(奈良県立橿原考古学研究所)
3.行程
8月28日(日) 金海市国立金海博物館視察
8月29日(月) 釜山広域市福泉博物館所蔵の玉類調査
・東莱福泉洞古墳群出土のヒスイ製勾玉
8月30日(火) 晋州市慶尚大学校博物館所蔵の玉類調査
・陝川玉田古墳群出土のヒスイ製勾玉・金製勾玉
8月31日(水) 釜山広域市釜山大学校博物館所蔵の玉類調査
・東莱福泉洞古墳群出土のヒスイ製勾玉