list_magatama三重県の古墳時代の玉類

三重県では、35,300点以上の玉類が出土しています。その内訳は、約200基の古墳から31,300点以上、約40ヶ所の集落遺跡から3,900点以上となっています。
県内では、翡翠・碧玉・瑪瑙の石材産地・生産遺跡が知られていないため、玉類は主に県外からもたらされたと考えられます。しかしながら、県内各地から多様な材質や形の玉類が出土しており、その内容から、古墳時代の玉類の流通や消費のあり方を知ることができます。
三重県の主な玉出土遺跡位置

上椎ノ木1号墳

上椎ノ木1号墳 遺物出土状況(三重県)

位置:三重県亀山市川合町
古墳時代前期末に築造された直径22mの円墳の粘土槨・割竹形木棺から出土した。玉類の内訳は、翡翠勾玉1、琥珀勾玉1、瑪瑙勾玉3、緑色凝灰岩管玉10、碧玉管玉12、滑石管玉20、ガラス小玉37である。産地分析の結果、翡翠は糸魚川産の石材を使用していることが明らかになった。

井田川茶臼山古墳

井田川茶臼山古墳2号石棺ほか(三重県)

位置:三重県亀山市井田川町
6世紀前半に築造された直径20mの円墳の横穴式石室から出土した。玉類の内訳は、銀製空玉8、琥珀切子玉16、琥珀棗玉9、ガラス丸玉84、ガラス小玉563である。これらの玉類とともに、画文帯神獣鏡、龍文銀象嵌装具付大刀、金銅装馬具、鉄鏃、須恵器等が出土している。6世紀前半の副葬品・玉類を代表する資料といえる。

東条1号墳

東条1号墳(三重県)

位置:三重県伊賀市東条
6世紀前半に築造された直径約11mの円墳の割竹形木棺から出土した。玉類の内訳は、翡翠勾玉1、瑪瑙勾玉1、ガラス勾玉4、碧玉管玉16、ガラス管玉7、ガラス丸玉121、ガラス小玉358で、これらは首飾りや手玉に用いられていた。産地分析の結果、翡翠は糸魚川産、碧玉は出雲・花仙山産の石材であった。